妄心綜合雑言事務所

かつてtwitterに雑に吐かれたような罵詈雑言の類いを、しっかり煮詰めてお届けいたします。

大いなる自由には、大いなる責任が伴う

この世の中において、なにかを表現することは自由である。あなたが思ったこと、考えたこと、それを自由に表現することは良しとされる。それは当然の事であると、誰もが疑わないであろう。私もそう考えている。

しかし、その表現には必ず責任が伴うことは、しばしば忘れられがちであろう。その表現行為によって表現されたもの、それについて表現者は責任がある。批判される責任である。批判を受け、それからの行動をどうするかもまた、表現者の自由である。しかし、それもまた、責任が伴う事を忘れてはならない。

昨今叫ばれる、表現の加害性への考慮について、認識が甘い人が多すぎるのではなかろうか。

私は憂いている、表現者の野放図なる表現によって、それによる被害者の声が大きくなり、結局表現ができなくなる事態を。常に自分の果たすべき責任を理解し、それを常に考え、自らの行動を律し、戒めながら行動することでしか、自由は守れない。自由というのは、万人が万人に対して礼を弁え、紳士的であることによって初めて成り立つのである。そうでないなら、やがて万人の万人による闘争状態となり、支配が生まれなくてはならなくなるのである。そして、自由は損なわれるのである。

この思考もまた、Twitterのタイムライン監視より生じたものである。どのような表現かは、現在消されており、リンクを貼ることができない。要約すると、地震が生じた時に、胸が豊かな女性の絵と共に「結構揺れましたね(笑)」という一文を付け加えたツイートであった。

これは、ポルノ表現という、現在の、ポリティカル・コレクトネスが叫ばれるインターネット世論において敏感にならなくてはならない事象と、震災を想起するような時期に、同じ土地で地震が起きて過敏になっているところに、このようなネタを貼られたのである。

これは、被災者やそれを支援している人達の怒りを買っても仕様がない。ここで謝罪し、すぐにツイートを消し、再発防止について釈明すれば良かったのである。それは、表現への責任を立派に果たしたこととなる。

謝罪と釈明、そして再発防止の声明と心がけ、これを火急迅速に行うことは、炎上への対応の基本であるが、件の人物はそれを怠り、気を病んだなどと言ってファンの怒りを無駄に焚きつけるような事をしたらしい。それによって、それを忖度したファンがその辺に当たり散らしている、というのが本件であろう。

いくつか、愉快犯による件の人物への煽りリプライがあったかも知れない。それはまた無責任なる行動としか言えないであろう。

だが、そのような行動を受けたとしても、真摯なる謝罪と釈明、そして再発防止への姿勢を見せること、すなわち誠意を見せることが、炎上を早期に鎮火させる正しい方策であろう。私も小火を起こしたことがあるが、謝罪ツイートと、ツイート削除でひとまず鎮火したのである。

もし、しっかりと謝罪と釈明、そして再発防止への姿勢によって、誠意ある行動によって責任を果たしてもなお炎上すると云うのなら、その時は弁護士の出番である。ネットだけでなく、現実にも影響が及び始めたなら、警察に相談すると良い。また、誠意ある行動をどうすれば良いか分からない時、それもまた弁護士への相談が必要なのかも知れない。良い弁護士は、何をするべきかをきっと教えてくれるだろう。

もしあなたが炎上しているのなら、謝罪と釈明、そして再発防止の表明から行うべきである。それはあなたのプライドを酷く傷つけることになるかも知れない。しかし、それはあなたが果たすべき責任を果たさずに得ようとした、偽りのプライドである。そのようなものはさっさと捨て、ここではきちんと謝罪し、それから正しい行い(つまり責任ある行動)と共に生き、そこで正しいプライドを醸成するのである。大いなる自由には、大いなる責任が伴う*1*2のだ。

世の表現者が、自分の表現への責任を果たし、立派に生きていける世の中を切に望む。その為には、まず一人一人が自覚を持って行動しなくてはならない。

 

追伸:重ね重ね、愉快犯的行動もまた、真に被害を被って傷ついた人の心情を逆撫でするものと言える。誠に慎まねばならない。

さて、地震と豊満胸少女画像の人、あなたもまた、そのツイートについては謝罪と釈明がなされなくてはならない、それはできるね?

*1:正しくは、「大いなる力には大いなる責任が伴う(
"with great power there must also come great responsibility")」という、「スパイダーマン」の登場人物、ベン・パーカーの台詞、あるいはライターのスタン・リーのコメント

*2:だが、自由というものも一つの力と言えるので、このように一部改変して引用した。