妄心綜合雑言事務所

かつてtwitterに雑に吐かれたような罵詈雑言の類いを、しっかり煮詰めてお届けいたします。

知らなかったこと、チェルノヴィリとそこからの避難について

今なお、福島県を始めとした福島第一原子力発電所放射線災害に関する右や左の旦那様のアレコレは絶えない。生起した被害にしても、これからのエネルギー政策の是非にしても、あまりにインパクトが大きく、そしてそのインパクトから、自分語りに繋いでいく時にも同じく自己主張にインパクトを与えられるからであろう。

もうわしは原発にハッキリとモノを言うことはやらん。twitterでもやらん。ここではその主張そのものでなく、論者がやらかした「ポカ」を論うこととした。まあこれは前のtwitterのアカウントからそうだが。

さて、実際に福島で放射線の影響が強いとされる病気の増加は有意に認められないという。今どきその辺の誤魔化しが効くとは思えない(なんだかんだ言って森友学園問題がそれである)ので、まあ概ね間違ってないのだろうなと思っている。

そんな中で、このようなツイートを見つけたのである。かつて使ってたtwitterのRTの流れである。

主張している連中は。自分たちの主張を点検することも出来んのかとしか言えないが、まあそれは良い。問題はこの後である。

 これは大変興味深い。放射線災害よりも、その避難時の身体的・精神的疲労が原因で病気になったり、死亡したりしたケースが多いと云うのだ。

早速調べてみたところ、僅か10秒で記事を見つける。避難せず、その土地に留まっている人達を取材した記事だ。老衰によってその人口は減少しているというが、その土地で暮らす人々は、確実に、独立して生きている。

logmi.jp

そして村に戻って来ると、病死すると警告されましたが、故郷で5年だけ幸せに暮らすほうが、キエフ郊外の高層住宅に10年も押し込まれ、両親や子供の墓や、春の午後に舞うコウノトリから遠く離れるよりずっとましだと考えたのです。

この部分に、故郷に長く留まっている人達の精神が垣間見える。彼女たちはこうした素朴ながら重要な感情を大切に生きているのだろう。

皆意見が一致している点は、甲状腺ガンの急増、強制移住させられた避難民がトラウマに苦しんでいることです。極度の不安や鬱、アルコール依存、失業、そしてもっと深刻なのは、社会組織の崩壊です。

先ほど紹介したツイートでは、避難した人がストレスによって健康被害を受けているとあった。では一方で、避難しなかった人々はどうなのだろう。なんてことはない、それが彼女達である。ささやかながら確実に、その残りの人生を過ごしているのである。老人としては健康のそれそのもののままに。

実際、移住と残留、もしもどちらも選べるのならば、元いた場所に居ることが一番ストレスがない、それは間違いがない。ここにあるのは、そのストレスがない事が、放射線より離れることよりも病気にならないために重要なことであることの示唆なのだろう。

ウクライナ出身の彼女たちはソビエト政権下で教育されロシアの詩人たちに親しんできたためか、そんな内容の格言をいつも口にしていました。「故郷から離れれば死んでしまう」「去った人の暮らしはひどく、悲しみながら死んでいく」「故郷は故郷。絶対に出て行かない」

今そこを生きる彼女達の信念はそこにあり、それの通りに生きているだけなのだろう。その結果、彼女達はそこで今なお、放射線健康被害に苦しむわけでもなく過ごしているのである。

単なる信念、ささやかな信念だと思うかも知れませんが、事実が含まれています。なぜなら、驚くべき真実があるからです。正式な研究ではありませんが、彼女たちが故郷に戻り、過去27年間も世界一放射線量が高い場所に住んできたのに、移住を受け入れた人々に比べて長生きなのです。ある推計では最高で10年も長生きです。

そのエビデンスに直で接することは残念ながら出来なかったが、このような統計があるらしい。それは飲酒に関する統計のような過誤も有るかも知れないが、今後調査がなされ、被曝後に取るべき行動について、新しい知見が得られるかも知れない。ストレスが大きいか、実際の災害の被曝が大きいかについて。